カーテンの隙間から降る銀色の光が目の前にある健やかな寝顔を照らす。
「ぅん…」
「寝ぼけているのか…」
無意識の行動なのか傍らにある温もりを求めて擦り寄ってくる人に苦笑交じりの独り言がもれる。
そんなところは穏やかに時を過ごした月でのころとなんら変わりはなく、アスランを懐かしい気持ちにさせる。
「いい夢でもみているのか?」
微笑んでいるようにさえみえる寝顔に、答えは返ってこないとわかっていても問いかけずにはいられない。
こんな風に目の前の穏かな寝顔を見るのはこの上ない彼の楽しみだ。
情事に疲れたけだるげな寝顔も、子供のように健やかに寝息をたてる顔も全てがすべて彼をひきつけてやまない。
いったいどうすればこんなに一人に心奪われるのか、アスランのほうが教えて欲しいくらいだ。
これから先、どんなに歳をとってもこの人の寝顔を見るのは自分だけでありたいと彼はせつに願う。
明日も、明後日も、その次の日も、変わることのない2人の夜。
そんな願いを込めて、目の前の額に軽いキスを。
「どうかいい夢を…おやすみ、キラ」
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