「ん・・・」
柔らかい朝日が目の前の秀麗な顔に差し込む。
「ダメ、まだ起きないで」
光を浴びて目を覚ましそうになる人に理不尽な願いを口にする。
けれど、それを聞き届けた彼はまた健やかな寝息をし始めた。
「キレイ・・・」
思わず口に出してしまうほど、彼の寝顔は美しい。
普段は深く刻まれている眉間の皺も、就寝中ばかりは無くなり、大人びた印象を与える彼も歳相応の顔になる。
それに、自分が傍に居るときにだけ見せる安心しきった彼の寝顔は、普段からは想像もつかないが、子供のようにさえ見える。
「カワイイ・・・」
こんなことを面と向かって言えば、彼は意地でも自分よりも早く起きてその顔を見せてはくれなくなるだろう。
だから絶対に彼には内緒だ。
これは僕の、僕だけの秘密。
そうして彼の寝顔を堪能して、その額や頬の口付けを落とす。
その感触によって、眠りから覚めようとする彼。
こうやって朝を迎えて、キスのシャワーで彼の目覚めを促す。
明日も、明後日も、その次の日も、変わらない僕らの素敵な朝。
うっすらと目を開いた彼に最後の仕上げで、唇にキスを。
「おはよう、アスラン」
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*デンドロビューム*わがままな美人
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