お前が好きだったよ、スザク。
他人をコレほどまで好きになることができるなんて自分でもしらなかった。
生まれてからずっと、他人は敵で。
8年前からは、血の繋がった身内すら味方ではなくなった。
心を許せるのはナナリーだけで、世界にはもう自分の見方なんていないと思っていた。
だけど、お前に出会えた。
最初は、オレだって思ったよ。嫌な日本人だって。
でも、お前は私達を知って、理解して、友達になってくれた。
信頼が、恋に変わるのに時間は掛からなかった。
お前は知らなかっただろうけれど、私はお前が好きだったんだ。
この先、お前以上に好きになれる者なんていないほど、お前が好きだったんだ。

今さら、そんなことを言っても仕方がないことだけれど。

お前をナナリーの騎士にしたかった。
私の命も同然のナナリーを預ける男だ。しっかりナナリーを守ってくれる者でなければな。
その点、お前なら適任だ。
ナナリーの信頼も厚く、お前も、ナナリーを大切に思ってくれてる。
だがな、本当を言うと、私の騎士になってほしかった時期もあった。
私だって、元はブリタニア生まれだからな。自分だけの騎士のことを夢見たこともあった。
けどな、私は誓ってしまったんだ。
いつか必ず、故国へ復讐を果たすと。
二度もその手で私たちの幸せを奪ったあの国を、壊してやると。
8年前、私は誓った。
私の矜持に懸けて、復讐に生き、故国を滅ぼすと決めたのだ。
子供の誓いだと笑うか?
だが、私はその誓いを、私が私自身である矜持のために決して破ることはしない。
だから、お前が私の道を阻むなら、例えそれが私の恋するお前でも容赦はしない。
私は何かを選ばなければならないのなら、恋を捨てる。
お前への気持ちを捨て去る。

だから、私がお前と添い遂げようとすることは絶対にできないんだ。
どんなに薄情な選択だとしても、私にはこの道しか選べない。
それが私だから。

なあスザク。

私たちの道はどこで違えたのだろうな?

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